キラリ亀岡
舌が痛い!ヒリヒリ・ピリピリする―舌痛症
咬傷(かみ傷)、口内炎もない。カンジダ症、ドライマウスでもなく「舌がん?」でもない。鉄分や亜鉛不足、口腔内細菌や唾液線検査をしても異常なし。そのような場合、一般的には『舌痛症』を疑います。
『舌痛症』は、「病気に対しての関心が強い」「過去あるいは現在強いストレスを経験している」といった背景を持つ人に発生しやすい傾向があります。心理面が絡むことに驚かれる人もおられます。“心の痛み”は“体の痛み”に変換されてしまうことがあるのです。
『舌痛症』はホルモンバランス、体調やストレスが複雑に絡んで出現すると考えられていますので完全な解決手段は無いのですが、「刺激物を避ける」「食い縛りを避ける」「舌が痛い時には舌を上顎につけてみる(痛みは主に歯が当たる部分に感じます)」「気分転換をはかる」などがお勧めの対応方法になります。
生活の中で痛みの観察(いつ、どのようなときに痛みがあり、何をしたときに痛みが治るのかなど)をしてみてはいかがでしょう?これは意外と有効です。“かかりつけ歯科医院”は、苦しんでおられる人の身近な友人とお考えください。相談することにより、解決に向けての良いヒントを見つける事ができるかもしれません。(文責 嶋村浩一)
乳歯は永久歯の保護者です
太田保育園寄稿
乳歯は胎生6週目から形成を初めます。そしてその形成途中に乳歯の下に永久歯の「芽」(正式には歯胚といいます)ができてきます 。そして大きく発育して乳歯を押し出し生え変わりの時期を迎えます。前歯は乳前歯の後ろに永久歯の「芽」ができます。前歯を強打した場合、永久歯の「芽」を保護してくれます。
もし乳歯が虫歯で神経まで化膿してしまうとその下で成長している永久歯の成長を邪魔してしまいます。乳歯は酸に弱く虫歯になり易く、歯質も薄く容易に神経が侵されてしまいます。
1歳~2歳頃は前歯の外傷が多く神経治療の必要性が生じる事があります。乳歯は永久歯の前にあり外傷から永久歯を守ります。時には永久歯の形成が傷害され一部が変色或いは石灰化の傷害がおこることがあります。その場合は十分な歯ブラシと出来ればフッ素を使って積極的な虫歯予防をしていれば大きな問題にはならない事が多いです。
虫歯の好発部位は下の第一乳臼歯(特に右下)の後ろ側です。前から4番目の歯で1歳さんの一番後ろ、2.5歳さんではその後ろに最後の乳歯が生えてきますので虫歯の有無は分かりにくくなるので注意して見て下さい。
保護者の方の仕上げ磨きは通常8歳までは求められています。特に小さいお子さんは仕上げ磨きを嫌がって磨きにくいものですよね。かかりつけ歯科医院でお子さんに沿った予防手段とお口の健やかな成長発育に関しての相談される事をお勧めします。
「唾液」と「感染予防」のお話
唾液は唾液腺で血液をろ過して1日に1~1.5L産生され口腔内を清潔に保ち、消化液、味覚補助、歯の補修(再石灰化)、そして、菌(細菌やウイルス)の侵入から体を守る役割をしています。
菌は粘膜から体内に侵入するので菌の着いた手で目をこすったり、口腔内が不潔であったりすると容易に感染が成立します。口腔、目、鼻は、菌の最初の入り口であり関所です。新型コロナウイルス(正式にはSARS-CoV-2)に関しても飛沫、接触感染ということが言われていますが最終的には粘膜からの侵入です。
ウイルスは歯周病菌の助けを借りて歯肉から侵入します。口腔内が不潔で歯肉出血や物詰りある方は感染の危険性が高いとされています。一方、唾液にはIgAという抗菌物質(免疫物質)が多く含まれ、菌の侵入を強力に阻止しています。
免疫の最前線で活躍する唾液の分泌を促進するには適切な水分摂取、よく噛んで食事をする、抗酸化食品(納豆、ネギ、ニラ等)摂取、唾液腺マッサージが有効です。健康的な食生活と清潔なお口の環境は免疫力の向上(感染予防)に直結し、健康生活の第一歩となります。(文責 嶋村浩一)
仕上げ磨きのコツ
太田保育園寄稿
乳幼児では十分な歯磨きができないことが多く保護者の皆さんも頭を悩ませることが多いと思います。一般的には8才頃までは仕上げ磨きが必要といわれています。大変ですが。
年中さん以降でできる事を、先ずは・・・。先ず保護者の目の高さで子どもに歯磨きをさせてみましょう。子どもと同時に歯磨きをしても有効です。子どもは明確なゴールがないと頑張れません。「シャカシャカ」と音が出る。指で触って「キュッキュ」と音が出る。どちらが上手く磨けるか試してみる。親子でお口の中を見て評価をしてみる。今しかできませんよ!こんな接触は。
3才から7才の時期には舌の成長が早く口の中で大きな部分を占めてきます。その為に裏側が磨き難くその後の仕上げ磨きがし難くなることもあります。「お口を大きく開けて」と言うと比較的舌が引っ込んで磨き易くなります。お風呂での仕上げ磨きもお試し下さい。
年少さんまでは歯磨きを嫌がることは寧ろ当然と考えてください。最初は外側を「イー」と言って、その次に「アー」と言って噛み合わせや裏側を素早く磨いてください。
歯ブラシをしながらウロウロする子どもがいるとハラハラします。転倒した時の事故は大変です。特に年少さん以下の事故が多くできれば椅子に座らせて保護者の目線で(保護者も座って)自分で磨かせてからの仕上げ磨きをお勧めします。(文責 嶋村浩一)