亀岡市の歯医者 | 嶋村歯科医院
HOME>キラリ亀岡

キラリ亀岡

キラリ亀岡 8月号

「食物がよく挟まる」
歯科医師会の嶋村です。
宜しくお願いします。

「歯ブラシをしっかりするのに何かお口の中がすっきりしない。」「時々歯肉から出血がある。」「口臭を気にしている。」といったことを主訴として来院される方が増えています。
これは食物が挟まることでおきやすい一連の症状です。歯の隙間は、50μ弱が理想的です。一方凡そ150μ程度の隙間が一番挟まりやすく掃除しにくい隙間の大きさといわれています。僅かの違いですね。100μつまり0.1mmの違いが食物の挟まる原因なのです。
歯間ブラシやデンタルフロス(糸ヨウジ)で掃除してもなかなか綺麗にならない。第一、挟まること自身が相当うっとうしいですから爪楊枝で血まみれになるまでつつきまわす方もいます。食物が挟まることも、爪楊枝で血まみれになるのも歯茎にとってはいい迷惑です。
食物が挟まるのにはきっと訳があります。そのような方は一度かかりつけ歯科医院でよく相談してみてください。思わないところに虫歯があったり、歯周病が局所的にあったり、かぶせが傷んでいたりすることもあります。また少しの咬み合わせの調整だけで改善されることもあります。あなたの人生の相棒に少し休養を与えてください。(文責 嶋村浩一)

投稿者 shimamurashika|PermaLink
「歯の神経」と聞くと「痛い!」とだけ連想する人へ。

6才臼歯は胎生約15週目で歯ができる袋(歯胚)が出来上がります。歯胚の中では薄い膜を介してエナメル質を作る細胞が外側に、象牙質を作る細胞が内側に正対して並んでいます。そしてそれぞれ生下時に「田植え」をするように後退しながらコラーゲンのネットを作り、少ししてネットの中で石灰化が始まります。6才臼歯は6才で歯が生えて11才歳ごろに歯根の先まで完成します。最終的に象牙質を作る細胞とその周辺に栄養を送っていた血管と神経は歯の中に閉じ込められて「歯の神経」になります。つまり「歯の神経」は歯を作ってきた細胞のケアハウスです。ですから虫歯ができたときにはもう一度象牙質を作って神経を守ろうとしますし、時々痛みを出してSOSの信号を出します。自分が長い時間をかけて作ってきた歯を守ろうとして信号を出すのですね。因みにエナメル質を作った細胞はエナメル質の表面を覆っていて歯が生えた時に剥離して消失します。
「歯の神経」が無くなると歯は急速に弾力性を失い脆くなり歯が割れる事があります。「歯の神経」を守ることは歯を大切にすることに他なりません。80歳になっても20本の歯を持っていよう(8020運動)という考えは生まれる前から始まります。

投稿者 shimamurashika|PermaLink
不顕性露髄

神経が無くなると歯は極端に脆くなります。歯の神経を何とか残していこうとする治療があります(歯髄覆罩 シズイフクトウ)。ところが歯髄覆罩の後に極めて稀に痛みが出てしまうことがあり結局は神経を取ることになることがあります。
むし歯処置の刺激で神経の中にむし歯菌が逃げ込んだ結果、神経の炎症を惹起してしまうと説明されますが、この状態を「不顕性露髄」といいます。「顕」は見えるという意味で、顕微鏡の「顕」です。露髄の「露」は露出の「露」、「髄」は歯の神経のことです。つまり目には見えないけれど神経が出ている状態ということです。
細心の注意を以ってむし歯の処置をしていても、神経を何とか残そうと頑張ってみてもこの「不顕性露髄」はおきてしまいます。歯髄覆罩の直後に症状が出る場合もありますし、10年以上たってからで症状が出る場合もあります。
食べたものが挟まる、かぶせが合っていないという状態はむし歯の進行が速くなります。どうか歯の不調を感じたときにはできるだけ早期にかかりつけ歯科医師にご相談をしてみてください。

投稿者 shimamurashika|PermaLink
知覚過敏について

知覚過敏は甘酸っぱい食べ物(柑橘類、酢)を常用している方に多く出現します。それと横みがきが強い方には利き腕側に多く出現します。歯茎の際の抉れている場所が温度的、物理的或いは甘酸っぱい食べ物(飲み物)の刺激で一過性にピリリとします。2度目の刺激に対してはあまり反応しません。

神経の炎症は刺激により暫く痛みが残ること、何もしなくても痛みが出ることがあること。夜、体が温まったときにズキンという痛みが出ることがあることが特徴です。知覚過敏の強いタイプのものとの鑑別が困難なことがあります。

食い縛りのきつい方にも知覚過敏様の症状が出ることがあります。これはアブフラクション(abfraction)といって知覚過敏とは若干の違いがあります。アブフラクションには通常の知覚過敏の症状のほかに噛んだ時にも歯が浮いた感じ、違和感やピリリ感があることがあります。両者の鑑別は専門家でも困難なことがありますが知覚過敏の処置を進めていけば2~3回の通院で概ね鑑別ができます。

知覚過敏に対しては
1.ハイドロオキシアパタイト(歯の原料)の細粒を歯の表面に塗りこむ。
2.フッ素の入ったセメントをフッ素の薬効とセメントの断熱効果で遮断する。
3.車のポリマー処理の如く歯の表面を透明なプラスティックフィルムでコーティングする。
4.フッ化ジアミン銀を塗布して歯の表面の蛋白質(コラーゲン繊維)の変性固定をし、神経に対しての知覚の遮断をする。

更にアブフラクションに対しては原因療法として食い縛る力を軽減すべくマウスピースをお勧めしています。マウスピースはアブフラクションの他肩凝りや顎関節症にも効果があり、院長も常用しています。それとイビキにも効果が大きいです。

投稿者 shimamurashika|PermaLink
2 / 3123